住居といえば日本ではマンション・アパートまたは一戸建てを思い浮かべる方が多いと思います。イギリスでは戸建にも3種類に分類され、マンション・アパートといった集合住宅にも多様な形態のものがあります。 この記事は、イギリスの住居について説明します。
また、当スクールでは、イギリス人講師からイギリスの住居について会話をすることができます
目次
所有形態による違い
住居者がその物件を所有しているのか借りているのかで以下のように言われています。
所有している:「フリーホールド(Freehold)」
借りている:「リースホールド(Leasehold)」
それぞれについての特徴を見ていきましょう。
フリーホールド(Freehold)
建物、土地ともに所有権を持っている場合をフリーホールドといいます。 フリーホールダー(Freeholder)は不動産所有者です。 イギリス人の多くは住宅ローンを組んで家を購入します。住宅ローンはモーゲージ(mortgage)と呼ばれます
リースホールド(Leasehold)
賃貸には様々な形態があり、長きにわたって借りることもあれば、すぐに解約できる短期リースもあります。 リースホールドとはいってもその期間が長期に及ぶものもあり、そのような契約は所有と同じ扱いです。建築物を自由に改築でき、不動産売買に関してもフリーホールドと同じように売買できます。その場合、不動産所有者に地代を支払う必要がある場合もあります。
カウンシル(Council)
第二次大戦後に起こった住宅不足の際、イギリスが行ったのは地方自治体に補助金を出して「カウンシル・ハウス(Council House)」と呼ばれる公的住宅を建て、住宅不足を解消させました。 「ハウス」と言われますが、幅は広く戸建てからフラットまであります。地方自治体が管理するため、家賃は住居者の収入に合わせて決められ、ほとんどの住居者の収入に合わせた値段で暮らせます。 カウンシル・ハウスは1980年代に多くが売られ、その後は新築もほとんどないため、その数は極めて少なくなってます。
ハウジング・アソシエイション(Housing Association)
地方自治体が公的住宅を建てなくなってから、「Housing Association」という住宅協会ができました。その形態は大規模から小規模までありますが、政府の補助金も受けて半官半民のような形でアフォーダブル(Affordable)(比較的安価な)住居を提供しています。
プライベート(Private)
イギリスの賃貸し住宅は民間の業者によるものがほとんどです。個人が貸す小規模の物から大手企業が扱うものまで様々です。 レント(家賃)は市場価格で、ロンドンなどでは高騰し続けており、若者や低所得層が都心に住めなくなると言った問題が年々増えています。
最近になって主にHousing Associationが提供しているのが「シェアード・オーナーシップ」です。住宅所有形態の一つで1戸の住居(ハウスやフラットのユニット)をHousing Associationと共有します。 例をあげると、10万ポンドのハウスを、居住者が5万ポンド購入し、残り半分はHousing Associationの持ち物で済み続け、残り10万ポンド分を数年かけて支払います。その支払いが終わると居住者に所有権が移るという仕組みです。
建築形態による違い
戸建て(ハウス)
住居の建築形態によっての違いもあります。 まずはいわゆる「戸建て」で英語にすると「ハウス」ですが、これにはいろいろ種類があります。
デタッチト・ハウス(Detached House)
「デッタチト・ハウス」とか、「デタッチ」と呼ばれる一戸建てです。このタイプの家が価値も一番高いと言えますが、そのサイズ、形態、価格にはピンからキリまであります。 ベッドルームは4部屋以上ある大きい家が多く、駐車場、ガレージなどがあり庭も敷地も大きく余裕があるのが普通です。家や土地自体も大きいのですが、内装についても部屋のサイズもそれぞれゆったりしていて、天井も高くとられていることが多いです。 土地に余裕がないと建てられないため、都心にはあまり見られず郊外に多く建てられています。ヴィクトリア時代からの物が目立ちますが、最近建てられるものでも伝統的なデザインで建設されることが多いです。
セミ・デタッチト・ハウス(Semi Detached House)
「セミ・デタッチト」は略して「セミ」と呼ばれる、イギリス特有の住居形式です。 2軒で一戸を形成する家屋で、建築物の真ん中を半分に割った形になっています。ほとんどが左右対称のデザインですが、のちの改築増築などで片方だけ異なるデザインになっているものもあります。 外から見ると、前庭の真ん中も壁で仕切ってあって、一見戸建てのように見えることもありますが、全く独立した2件の住居です。 「セミ」には2階部分に3ベッドルームあるものが多いようです。最近ではガレージやドライブ(駐車スペース)があるのが普通です。
テラス・ハウス(Terraced House)
3軒以上の家が連なっている長屋形式の住居です。2~3のベッドルームがあり、庭がついている住居がほとんどです。 前庭がなく歩道から住居に直接に入る形のものも多く、その場合、駐車スペースはないのですが、ほとんどのテラス・ハウスは共同の通路が裏についています。 端にある家は「エンド・テラス」と呼ばれ、セミデタッチとして扱われることもあります。
バンガロー(Bungalow)
1階建ての平屋で、高齢者カップルが住むことが多いのが特徴です。バンガローはあまり数が多くありません。
集合住宅(フラット・アパートメント)
集合住宅にも様々な形態があります。
パーポス・ビルト・フラット(Purpose Built Flat)
日本のマンションのような集合住宅で、3階以上ある高層住宅に様々な規模のフラット(アパートメント)ユニットに分割されています。 共同の玄関があり、ポーターと呼ばれる管理人がいるところもあります。1件の集合住宅の中でも部屋の間取りやサイズ、価格など様々なものがあり、売買物件と賃貸し物件が混じっていることもあります。
メゾネット(Maisonette)
「複層住戸」のことで、数は多くないですが時々見られる形式です。集合住宅の中を2層ユニットに分割して住むデザインになっています。それぞれの住戸の中に階段があって1階と2階部分が使えるようになっています。
コンバージョン・フラット(Conversion Flat)
もともとは大きな一軒家だった建物や他の目的で建てられた建築物を改装して集合住宅にしたものです 一見外観からは集合住宅に見えないものもあります。1階部分のフラットには庭があることもあります。 多くのイギリス人はモダンな建物よりも古い建築様式を好む傾向があります。規模は小さくても古い建物に住みたいと言う人には人気があります。
<参考記事> https://globalpea.com/uk-house
イギリスの住居について語ってみよう
当スクールでは、ベテランイギリス人講師から、生のイギリス文化や住居について学ぶことができます。講師と一緒にイギリスについて語ってみませんか。 講師と自己紹介です。講師陣全員を見てみる。
Tom 私の名前はトム・マリオットです。イギリス生まれで、ロンドンで生活していました。私はミュージシャンで、様々なバンドで曲を書いたり、トロンボーンの演奏をしていました。バンド活動を通して、日本やインド・南アフリカ・タイやヨーロッパ中の国々へ行き演奏をしていました!私は語学スクールで講師の経験があります。私のクラスでは、全ての年代の受講生の方々に、音楽やリズムを使いながら楽しんで英語を学んで、みなさんの英語力アップの手助けができることを楽しみにしています。 | Abbie イギリスと日本のハーフで、愛媛県の東雲高校を卒業後、青山学院大学で英米文学を専攻にして進学しました。趣味は読書で、日本語でも英語でも本を読んでいます。基本インドアなので、スポーツはあまり好きではありませんが、ヨガは毎日しています!まだ大学生ですが、TOEIC 990点で英会話講師として1年経験があります。あなたの目標や希望に沿ってレッスンをカスタマイズします!楽しくて、充実した時間を一緒に過ごせるように頑張りたいと思っています。 | Michael ハイ!僕は、マイケル・シュルーダーといいます。ロンドン出身のネイティブイングリッシュスピーカーです。僕は、ロンドン大学で物理学科の理学士を取得して卒業し、しばらくの間、日本に引っ越すことにしました。僕は日本の文化が大好きです。英語を熱心に集中して勉強したい日本人や気軽にお茶でも飲みながら勉強したい人達のためのマンツーマンレッスンやグループレッスンをするためです。 | Owain 受講生の皆様へ。私の名前はオーウィンといいます。私はイギリスのセルジーという小さな町の出身です。私は日本で14年ほど英語を教えていた経験があります。そして、京都にいた3年間を含め、日本に長く住んでいます。私は映画が好きで(特にジェームズ・ボンドは私のヒーローです)、パソコンでアニメや音楽を作ったり、日本を観光するすることも好きです。あなたに会える日を楽しみにしています:)※取得資格:TEFL(英語教授法) |
まとめ
イギリスの住居の種類について
①所有形態によってこのような形態
所有している:「フリーホールド(Freehold)」
借りている:「リースホールド(Leasehold)」
②建築形態による違いによる形態
戸建て
ハウスと呼ばれ、デタッチト・ハウス、セミ・デタッチト・ハウス、テラス・ハウスなどがあります。
集合住宅
日本のマンションのような集合住宅で、3階以上ある高層住宅に様々な規模のフラット(アパートメント)ユニットに分割されています。
イギリスの住居については所有、建物によってさまざまな形態があります。ライフスタイルに合わせて住居を変えることもよくあります。イギリスで生活する際は、住居選びはじっくり検討したいですね。