カナダは移民が多い国です。カナダといえば、英語とフランス語が公用語ですが、英語学習者にとっては行きたい国の一つではないでしょうか。
今回は、カナダの食生活について紹介します。カナダに行って学んだ英語で注文し、代表的な料理だけでなく豊富な食事を楽しみましょう。
目次
カナダ料理とは
カナダと言えばサーモンの印象がある方もいますが、カナダ料理と呼ばれるカナダ独自のメニューもあります。
Poutine(プーティン)
カナダでは感謝祭(サンクス・ギビング・デー)などで食べられる代表的な料理です。
ケベック州で生まれたとされる料理で、フライドポテト、グレイビーソースとチーズを合わせたもの。
グレイビーソースとは、肉類を焼いたときに出る肉汁に、ブイヨンやワインなどを混ぜ煮詰めて味付けしたソースのことをいいます。
プーティンに使われるチーズは、カードと呼ばれる固まったチーズが用いられます。
フライドポテトと肉汁ソースとチーズというカロリー高めの組み合わせですが人気があります。
Nanaimo Bar(ナナイモバー)
ブリティッシュコロンビア州のナナイモという街で生まれたチョコレートスイーツです。
チョコレート、カスタードバタークリーム、ブラウニーのようなクッキー生地が層になっています。
発生は炭鉱で働く男性のために作られたと言われており、重労働に耐える高カロリーです。
とても甘く、小さく切られた量でも十分満足です。濃いコーヒーと一緒に食べ事をお薦めします。コーヒーと相性がいいです。
Peameal bacon(ピーメールベーコン)
カナディアンベーコンという別名を持つ、カナダの有名なベーコン。
普通のベーコンは脂肪の多いバラ肉のことを指すのですが、ピーメールベーコンは脂肪分の少ないロース肉を用います。
加えて、ベーコンの周りに黄色い粉がまぶされていること。コーンミールと言われています。
長期間保存できるよう、乾燥させたとうもろこしを挽いたものです。1800年代には他国への輸出も積極的だったようです。ソテーやサンドイッチなどに挟んで食べてみましょう。
カナダで食べられる主食は
続いて、カナダでの一般的な食事について見ていきましょう。先ほどは、イベント向きでしたが家庭料理はどのような食事なのでしょうか。
最初にも触れましたが、カナダは移民が多い国なので、「カナダ人」と言っても様々な人々がいます。イタリア系、ブラジル系、中華系など、家庭ごとの習慣によって家庭料理も様々です。
そのため、次の料理は一つの例として一般的は家庭的なメニューということで紹介いたします。
マッシュドポテト
肉料理や、魚料理の付け合わせによく合う、マッシュドポテト。塩コショウやバターなどあっさりな味付けですので、どんなメイン料理にもよく合います。
マカロニ&チーズ
茹でたマカロニにチーズソースを絡めた、グラタンのような料理です。
子供から大人まで人気の定番メニューで、現地では、”マックアンドチーズ”(Mac’n Cheese)として親しまれています。
簡単に作れるインスタント食品もあります。一番有名なのが「Kraft Dinner(クラフトディナー)」という食品。乾燥したマカロニと粉末状のチーズソースが一緒に入っていて、電子レンジで簡単に料理することができます。
家庭によっては、ソーセージや玉ねぎ、ツナ缶などを混ぜて楽しむこともあります。
シリアル・オートミール
朝食といえばシリアルが定番です。家庭料理ではないのですが、カナダのスーパーには非常に数多くのシリアルが取り揃えられています。
チョコやキャラメル味で甘くキッズが好きそうな(色とりどり)ものから、シュガーレスや食物繊維豊富なもの、プロテイン豊富なものなど様々な種類があります。
また「オートミール」と呼ばれるオーツ麦も定番です。
麦の表皮を取ってないので、鉄分や食物繊維などの栄養を豊富に取ることができます。牛乳や水で煮ておじやのように食べるのが普通ですが、インスタント商品として電子レンジで簡単につくれるものもあります。あまり味がしないので、バナナやナッツ、はちみつやレーズンなどで味付けします。
カナダの食事事情
日本との違いをいくつか紹介します。
採食主義者
先ほども書きましたが、カナダには様々なルーツを持つ人々がいますので、宗教上の理由で、牛肉や豚肉を食べない人がいます。
また同じくらいに、”菜食主義”の人々がとてもたくさんいます。
菜食主義といっても、細かな分類があるのですが、有名なのが以下2つのワードに分かれると思います。
ベジタリアン(Vegetarian)
ベジタリアンとは、肉や魚などの動物性食品を摂らず、穀物や豆類、野菜などの植物性食品を摂る人のこと。卵や乳製品、ハチミツに関しては、人によって異なります。
ビィーガン(Vegan)
完全菜食主義といわれるように、100%植物性由来の食材や植物性食品だけを食べる。
※人によってはそれぞれのワードの定義は異なり、”セミ・ベジタリアン”という菜食趣向(動物性食物の完全排除ではなく、菜食を好む)といった形などもあります。
では、なぜ菜食主義なのでしょうか。理由は様々ですが、次のようなことが主な理由です。
- 習慣や宗教的な理由(生まれながらヴィーガンの家庭など)
- 動物愛護の思想感(動物を愛し、殺すことや苦しめることを避けたい、という考え方)
- 健康的な理由(肉食は健康に良くないと考えたり、体質的に乳製品や肉類が体に合わない人)など。
菜食主義の人々が大変多いカナダでは、ヴィーガン向けの食材がどのスーパーでも多種類に売られており、ヴィーガンレストランも非常に多く営業しています。
食材へのこだわり
日本と、カナダの食糧自給率を比較してみましょう。2017年度ですが、日本の食糧自給率、38%、カナダ、200%越え。
豊な自然と広い国土に恵まれているカナダは、食材の宝庫ということができます。
そのため食材へのこだわりが強く、たいていのスーパーでは「自然食品コーナー」が設置されています。
野菜や果物など自然食品は少し割高ですが、それでも日本のようなオーガニック食材よりは安価で、健康と食材に対するカナダ人の意識の高さといえるでしょう。
また近年では、「環境にやさしい食の在り方」という考え方も広まってきています。
その一つとして、バンクーバーでは2005年に「オーシャン・ワイズ」という活動がスタートしました。オーシャン・ワイズとは、「海洋環境を破壊することなく、海産物を食す」という考えの環境保全活動。
食堂やレストランを始め、消費者に対してSustainable(持続可能)な海産物を選んでもらい、「地球環境への配慮も、食を満たすことと同じよに大切である」という意識を高めることを目的としています。
具体的には、海底の生態系を壊さず、長期的な保全を維持できる漁獲方法や養殖方法を採用している水産物に”オーシャンワイズ”のマークが付与されるものです。
その食材を使用した食堂やレストランが、バンクーバーには増えてきています。
ぜひこれから外食をする際には、気を付けてみてみたいと思っています。またレストランに限らずスーパーなど消費者にとっても身近なところで、このオーシャンワイズのマークを頻繁に目にする機会が増えていくことでしょう。
まとめ
・カナダ料理とは
カンダと言えばサーモンの印象がある方もいますが、カナダ料理と呼ばれるカナダ独自のメニューもあります。
・カナダで食べられる主食は
マッシュドポテト、マカロニ&チーズ、シリアル・オートミールなどがあります。
・カナダの食事情
菜食主義”の人々がとてもたくさんいます。
・食材へのこだわり
豊な自然と広い国土に恵まれているカナダは、食材の宝庫ということができます。
そのゆえ食材へのこだわりが強く、たいていのスーパーでは「自然食品コーナー」が設置されています。
まだあまり知られていないカナダ発祥の料理や、カナダの主食、そして日本と異なる食事情について紹介をしました。
カナダは移民国家なので、様々なルーツを持つ”カナダ人”がいます。
移民が多い国だからこそ、食の選択肢が豊富に広がっているというのがカナダの魅力の一つでもあります。英語力を磨いてカナダ料理を楽しんではいかがでしょうか。