英検二級の一次(筆記、聞き取り)を合格すると次はもちろん2次試験(面接試験)があります。
英語での面接、実際の英会話と聞いて尻込みしてしまうこともあると思いますが、事実、英検二級の筆記やリスニング程度のレベルでのスピーキングは求められていません。
なので、一次試験ほど学習しなくても簡単に対策できてしまうレベルなのです。
反対に言うと、全く練習しないで行ったり、間違った対策をしてしまうと緊張も相まって大コケしてしまいます。
初めて受ける方も、一度失敗している方も配点やセクションごとの採点基準を理解して練習に取り組めばきっと合格点に届くでしょう。
目次
試験内容
英検2級二次試験の題材には、社会性のあるトピックが選ばれます。
過去の試験で用いられたカードには環境にやさしい素材・オンライン会議・屋上緑化・ペット産業・新しいエネルギー・サプリメントのようなトピックがあります。
面接委員からパッセージ(文章)と3コマのイラストが印刷された「問題カード」が手渡されます。
- 自由会話:面接委員との簡単な日常会話
- 音読:英文を20秒間黙読後、60語程度の英文を音読
- 質問No.1:英文についての質問に答える
- 質問No.2:3コマのイラストについて説明する
- 質問No.3:イラストのトピックに関する質問に対し自分の考えを述べる
- 質問No.4:一般的な事柄についての質問に対し自分の考えを述べる
試験の流れ
試験は下記の流れで実施されます。当日に想定外の出来事で焦らないよう、事前に確認しておきましょう。
- ①入室する(もちろんドアをノックしてMay I come in?など言ってから入室しましょう)
- ②試験官に面接カードを渡す
- ③名前と受験級を確認し、簡単な挨拶をする
- ④問題カードを受け取り、面接を開始する
- ⑤問題カードを返却する
- ⑥退室する
評価の観点
面接は、以下の観点で評価を受けます。
- 応答内容
- 発音
- 語彙
- 文法
- 語法
- 情報量
面接試験では、アティチュードという態度・姿勢に関する要素が加わります。
具体的には、コミュニケーションを取る際の反応の自然さ、発声の明瞭さ、積極適的な態度が採点の対象です。
積極的にコミュニケーションをとることで高得点がとれます。
英検2級の二次試験で高得点を取るためのポイント
2級のスピーキングのCSEスコアは650点で、合格スコアは460点です(約7割)。
音読と、4つの質問、そしてアティテュード(態度)の6項目について採点されます。
6項目全体で7割以上取れていれば合格なのですが、もし、1問でも全く外れた解答をしてしまって大きく減点された場合のことを考えると、どの項目も満点を目指して対策するべきでしょう。
また、どの級も二次試験の合格率は高いですが、残念ながら不合格になってしまった、という人のほとんどの理由が「緊張して頭が真っ白になってしまった」「聞かれていることはわかっているのに英語が出てこなかった」のどちらかです。
スピーキングはコミュニケーション能力ですので、言われたことに「適切なタイミングで反応する」反射神経が必要です。
では、音読と、4つの質問、そしてアティテュード(態度)の6項目について、高得点を取るにはどうしたら良いか、そのポイントをご紹介していきます。
音読はゆっくりと大げさに
黙読は20秒間ですが、音読には時間制限がありません。
どれだけそれっぽい英語で大きく明瞭に音読できるかが鍵を握ります、なのでコソコソとカタコトで話してはいけません。
同時に発音やアクセントを意識してみてください。
日本語にはない th や f、v の音、複数形や三単現のS、過去形を正しく発音できているかは採点のポイントとなります。このポイントを大袈裟までにやってみるくらいでちょうどいいです。
また、カタカナで日本語として使っている単語は本来と発音やアクセントが違うものがあるので注意です。
NO.1の問題はパッセージから答えを探す
1問目は、「According to the passage,」の後に、「Why~?」か「How~?」のどちらかで質問されます。
答えはいちから英文を作るのではなく、パッセージの中から答えに該当する文章を探してください。
Whyで聞かれたなら、理由を表している文章を探し「Because ~」で答えます。
Howで聞かれたなら、方法や手段を表している文章を探し「By ~ing~」で答えます。
ちなみに、Why~から始まる質問の場合は、答えになる文章はパッセージ内の「理由を表す語句」の直前の文章であることがほとんどです。
そのまま抜き出して答えても点数はもらえますが、ひと工夫ができるかどうかで点数に差がつきます。
イラスト問題は直接話法+過去形で
2問目は、3コマのイラストを見ながら、状況を英語で描写する問題です。最初に20秒の準備時間が与えられます。
描写は、イラストの右上にある太字の英文から読み始めます。また、イラスト内にあるセリフや、コマの切れ目にある矢印の中の英文もそのまま読みます。
セリフをそのまま読むためには、直接話法にする必要があります。
ここで、直接話法と間接話法について簡単に説明します。
直接話法:父は私に「俺の部屋を掃除しろ」と言いました。(セリフ有り)
関節話法:父は私に、父の部屋を掃除するように言いました。(セリフなし)
これを英文にすると、
直接話法:My father said to me,” Clean my room”.(セリフ有り)
間接話法:My father told me to clean his room.(セリフなし)
英検のイラスト問題で吹き出しの中にある英文は「セリフ」ですので、そのまま使うためには直接話法を使わなければいけません。
直接話法で使う「言う」という表現は say を使いますので、主語 said to 人 “ セリフ “. 「主語は人に『セリフ』と言いました」を使いましょう。
1コマにつき2文で描写することが理想ですので(1コマ目はイラスト右上の文がありますので、あと1文だけでOKです)
①登場人物の動作や場面の状況をありのままに伝える
②登場人物の感情を想像して伝える
この2つを1文ずつ作るように心がけるとスムーズに答えられます。
例えば、
①He was ~ing.「彼は~していた」
②His friend was surprised to see it.「彼の友だちはそれを見て驚いた」
とか、
①There was / were ~ in the kitchen.「台所に~があった、いた」
②It made them happy.「そのことは彼らを幸せにさせた」
という風に、①状況→②感情と設定しておき、用意された20秒で①と②の内容を決めて準備をしておけば、スムーズに答えることができるでしょう。
また、状況を描写する英文は、セリフ以外はすべて過去形または過去進行形にします。時制に気を付けましょう。
意見を述べる英文のバリエーションを増やす
3問目と4問目は、問題カードとは関係なく、あなた自身の意見を問われる質問が続きます。
3問目は、I agree. / I disagree. ( I don’t agree.) でその意見に「同意するか/しないか」自分の意見を明らかにした後に、2文でさらに説明します。
4問目は、最近の傾向などを Yes / No で答えられるような形で質問されます。続いて、Why? / Why not? や Please tell me more. / Please explain. などとさらなる意見を求められますので、2文で答えます。
どちらも1文しか答えられなかったとしても、途中点はもらえますが、ここは2文をしっかり作って満点を目指しましょう。
2文の構成は、
①そう思う理由
②それを裏付けるような具体例や将来の展望など
に設定すると作りやすいです。
もちろん、理由を2つにしても構わないのですが、同じことを言っている内容だと減点されます。
例えば4問目で「日本人はもっとボランティア活動をするべきか」という問いに対して Yes で答え、Why? と聞かれた場合に、下記のように答えたとしましょう。
① Because I like to do it.
② Also, I am interested in it.
これらは、2文ではありますが同じことを言っていますよね。これだと満点にはなりませんので理由を2つ言う際には気を付けて下さい。
この例題で①Because I like to do it.と答えるのであれば、②はI did volunteer activities last summer and it was a great experience for me.のような、I like to do it. と思う裏付けとなる具体例にするのがふさわしいです。
3問目や4問目のような、自分の意見を述べる質問にすぐに答えるためには、使える英文のバリエーションを増やすことと違う表現に言い換えられる柔軟性が重要です。
バリエーションが多ければ多いほど、問題に合わせて頭の引き出しからすぐ取り出して使えますよ。
アティテュードってどうすればいいの?
音読と4つの質問の他に、点数がつく項目はアティテュード(態度)です。英検の公式サイトではアティテュードについて「積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度」と書かれています。
スピーキングは、コミュニケーションです。相手の言っていることが理解できているよ、と反応し、自分の意見を相手に伝えよう、自分の気持ちをわかってもらおう、という想いがどれだけ強いかが大事だということです。
言いたいことがうまく英語にできなくても諦めずに、言い換えたり付け足したりしながら、なんとか英語で話したい、という熱意があるかどうかを評価されるのです。
ですから、黙ってしまうのが一番よくありません。
ただ黙っていても誰も助けてくれませんし、少し時間が経つと次に進んでしまいます。よく聞こえなかったのならば、”Pardon?”や”Could you say that again?”と聞き返したり、すぐ言葉が出てこないならば、”Well,”や”Let me see,”と間をつないで「私はまだ言いたいことがあるよ」とアピールすることが大切です。
最後に
英検二級の面接試験を受ける時点で一次は受かっていますよね。
実際問題、そこまでの努力ができる人ならすぐに2次面接の対策もできるでしょう。
話すのが苦手という人もこれを機に自信をつけて英会話をマスターしていくというくらいの気持ちでいけば緊張せずに良い結果が望めると思います。